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アスペルガー症候群 Asperger syndrome: AS

'''アスペルガー症候群'''(アスペルガーしょうこうぐん、Asperger syndrome: AS)または'''アスペルガー障害'''(アスペルガーしょうがい)は、社会性・興味・[[コミュニケーション]]について特異性が認められる[[広汎性発達障害]]である。各種の診断基準には明記されていないが、全IQが知的障害域でないことが多く「[[知的障害]]がない[[自閉症]]」として扱われることも多い。なお、世界保健機関・アメリカ合衆国・日本国などにおける公的な文書では、自閉症とは区別して取り扱われる。[[精神医学]]において頻用される[[アメリカ精神医学会]]の診断基準 ([[DSM-IV-TR]]) では'''アスペルガー障害'''と呼ぶ。

対人関係の障害や、他者の気持ちの推測力など、[[心の理論]]の障害が原因の1つであるという説もある。特定の分野への強いこだわりを示したり、運動機能の軽度な障害も見られたりする。しかし、[[カナータイプ]](伝統的な[[自閉症]]とされているもの)に見られるような知的障害および[[言語障害]]は、比較的少ない。

== 歴史 ==
* [[1944年]]、[[オーストリア]]の[[小児科学|小児科]]医[[ハンス・アスペルガー]](Hans Asperger)によって「自閉的精神病質」と初めて報告されたが、[[第二次世界大戦]]のため、その論文は戦勝国側では注目されていなかった。
* [[1981年]]、イギリスの医師[[ローナ・ウィング]](Lorna Wing)がアスペルガー症候群の発見を紹介Wing, Lorna. [http://www.mugsy.org/wing2.htm Asperger syndrome: a clinical account.]
* [[1989年]]、社団法人日本自閉症協会設立
** [[1990年代]]になり世界中で徐々に知られるようになった。しかし、日本ではドイツ精神医学の影響が強かったことから、ローナ・ウィングの紹介以前に知られていた[http://www.autism.jp/asp_index.html アスペルガー症候群を知っていますか]
* [[1992年]]、[[世界保健機関]](WHO)の「[[疾病及び関連保健問題の国際統計分類]]」に診断基準が初めて掲載される(ICD-10)。
* [[1994年]]、[[アメリカ精神医学会]]の「[[精神障害の診断と統計の手引き]]」に診断基準が初めて掲載される(DSM-IV)。
* [[2000年]]、豊川市主婦殺人事件。文部省(当時)に広い範囲における高機能自閉症児に対する早期の教育支援が必要であることを認識させた。
* [[2003年]]、[[長崎男児誘拐殺人事件]]。出版などを通じて社会的な関心が広まった。
* [[2005年]]、[[発達障害者支援法]]施行
* [[2005年]]、[[心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律]](医療観察法)施行
* [[2006年]]、[[障害者自立支援法]]施行
''発症の原因については[[自閉症#原因]]を参照のこと。''近年、脳の先天的な機能障害と理解されるようになった。

== 概要 ==
アスペルガー症候群の定義や「アスペルガー症候群と高機能自閉症は同じものか否かについて」は、諸説あるが、'''高機能自閉症'''(知的障害のない、あるいはほとんどない自閉症)と区別されることは少なくなってきている(アスペルガー症候群は、知的障害の有無を問わず、言語障害のない自閉症を指すという研究者もいる)。このような概念の未整理については議論や批判があり、それを受けて[[2013年]]発行予定の[[DSM-V]]の草案ではアスペルガー症候群は独立した診断分類としては削除されている{{要出典|date=2011年1月}}。

自閉症の軽度例とも考えられているが、知的障害でないからといっても、社会生活での対人関係に問題が起きることもあり、知的障害がないから問題がほとんどないとすることはできない。知能の高低については、相対的に低いよりは高い方が自活能力が高いとみなされるが、成人の場合、知能の高さは必ずしも安定就労に結びつかないという調査報告もある発達障害の子どもたち 講談社現代新書 [[杉山登志郎]]著 [[講談社]] 2007年 ISBN 9784062800402。これは、アスペルガー症候群としての特性の数々は知能の高低にかかわらず就労の場において(しばしば重大な)障害となるのに、知的障害者としての庇護が受けられる者にくらべて、一見定型発達者と区別がつかない知的障害のない者への理解やサポートは、ほとんど進んでいなかったからである。日本では従来、アスペルガー症候群への対応が進んでいなかったが、[[2005年]][[4月1日]]施行の[[発達障害者支援法]]によりアスペルガー症候群と高機能自閉症に対する行政の認知は高まった。しかし、依然社会的認知は低く、カナータイプより対人関係での挫折などが生じやすい環境は変わっていない。

また、[[注意欠陥・多動性障害]](AD/HD)や[[学習障害]](LD)などを併発している場合もある。このような合併障害があることと、「アスペルガー」や「自閉症」という言葉には偏見があることなどを理由に、まとめて「[[広汎性発達障害]](PDD)」や「発達障害」と呼ぶ医師も増えている。なお[[自閉症スペクトラム]]の考え方では、[[定型発達者]]とカナータイプ自閉症の中間的な存在とされている。

[[ファイル:自閉症.PNG]]

== 特徴 ==
[[自閉症スペクトラム]]に分類されている他の状態同様、アスペルガー症候群も性別との相関関係があり、全体のおよそ75%が男性である。ただし、症状が現れずに潜在化(治癒ではない)する場合も勘案せねばならず、この数値にはある程度の疑問も残る。

=== コミュニケーション上の主な特徴 ===
非自閉症の人(NT:neurotypical, 典型的な精神の人)は、他者の仕草や雰囲気から多くの情報を集め、相手の感情や認知の状態を読み取れる。しかし自閉症の人はこの能力が欠けており、心を読むことが難しい([[心の理論]])。そのような、仕草や状況、雰囲気から気持ちを読み取れない人は、他人が微笑むことを見ることはできても、それが意味していることが分からない。また最悪の場合、表情やボディランゲージなど、その他あらゆる人間間の[[コミュニケーション]]におけるニュアンスを理解することができない。多くの場合、彼等は行間を読むことが苦手あるいは不可能である。つまり、人が口に出して言葉で言わなければ、意図していることが何なのかを理解できない。しかし、これはスペクトラム状(連続体)の特徴である。表情や他人の意図を読み取ることに不自由がないアスペルガーの人もいる。彼らはしばしば[[アイコンタクト]]が困難である。ほとんどアイコンタクトをせず、それをドギマギするものだと感じる場合が多い。一方、他人にとって不快に感じるくらいに、じっとその人の目を見つめてしまうようなタイプもいる。相手からのメッセージ(アイコンタクトなど)が何を示すのか、彼等なりに必死に理解しようと努力するのだが、この障害のために相手の心の解読が困難で、挫折してしまうパターンが多い。例えば、初対面の人に挨拶をする際に、社会的に受け入れられている方法で自己紹介をするのではなく、自分の関心のある分野に関して一人で長々と話し続けるような行動をとる場合がある。

=== コミュニケーション上の特徴が障害とは限らない ===
症候群という表現は、アスペルガーの人は障害者(異常)で、その他の者は定型発達者(正常)というように感じる。しかし、特徴の見かたを変えると、客観的で、事実を正確に理解して表現することに長けているともいえる。以下に挙げられている「言葉を額面どおりに受け取る」や「些細なことにこだわる」という特徴も「厳正に規則を守る」と言い換えることができる。例えば、パソコンのように順序だったものや規則的なものに興味を持てば、才能を開花させることも可能である。また、「行間を読むことが苦手」というのは、行間を読まないコミュニケーション方法ということである。それは「行間を読むコミュニケーション(アスペルガー以外の多数派)」に対しての「少数派の方法」という関係である。

つまり、少数派であるために、多数派の人と自由にコミュニケーションが取れない、或いはコミュニケーション方法の違いを理解されないという問題が、社会生活での障壁となりやすい。

=== 主な問題点 ===
アスペルガーの人は、多くのアスペルガー以外の人と同様に、またはそれ以上に強く[[感情]]の反応をするが、何に対して反応するかは常に違う。
彼等が苦手なものは、「他人の情緒を理解すること」であり、自分の感情の状態を[[ボディランゲージ]]や表情のニュアンス等で他人に伝えることである。多くのアスペルガーの人は、彼等の周りの世界から、期せずして[[乖離]]した感覚を持っていると報告されている。

例えば教師が、アスペルガーの子供に(宿題を忘れたことを問いただす意味で)「犬があなたの宿題を食べたの?」と尋ねたら、その子はその表現が理解できなければ押し黙り、教師に自分は犬を飼っておらず、普通犬は紙を食べないことを説明する必要があるのかどうか考えようとする。つまり教師が、表情や声のトーンから暗に意味している事を理解できない。
先生は、その子が傲慢で悪意に満ち、反抗的であると考え、[[フラストレーション]]を感じながら歩き去っていくかもしれない。その子はその場で何かがおかしいとフラストレーションを感じながら、そこへ黙って立ち尽くすことだろう。

アスペルガーの子供は、言葉で言われたことは額面どおり真に受けることが多い。親や教師が励ますつもりで「テストの点数などさほど大事ではない」などとあまりきれい事ばかり聞かせたり、反対に現実的なことばかり教えたりすると、真に受けてしまい、持つべき水準からかけ離れた観念を持ってしまう危険がある。彼らは、“大人の発言には掛け値がある”という'''疑い'''を持ちにくく、持ったとしても、はたして掛け値がどのくらいなのかを慮ることが困難であるため、発言者の願望を載せて物事を大げさに表現すると狙った効果は効き過ぎることになる。この傾向を助長する要因の一つに、通常であれば日常生活で周囲の人の会話などから小耳に挟んで得ているはずの雑多な情報を、アスペルガーの人は(アスペルガー特有の“興味の集中”のため)“聞こえてはいる”ものの適切に処理することができないことが考えられる。

=== 限定された興味、関心 ===
アスペルガー症候群は興味の対象に対する、きわめて強い、偏執的ともいえる水準での集中を伴うことがある。
例えば、1950年代のプロレスや、アフリカ独裁政権の国歌、マッチ棒で模型をつくることなど、社会一般の興味や流行にかかわらず、独自的な興味を抱くケースが見られる。輸送手段(鉄道・自動車など)、コンピューター、数学、天文学、地理、恐竜、法律等は特によく興味の対象となる。しかし、これらの対象への興味は、一般的な子供も持つものである。両者の違いは、その異常なまでの興味の強さにある。アスペルガー児は興味対象に関する大量の情報を記憶することがある。

また一般的に、順序だったもの、規則的なものはアスペルガーの人を魅了する。これらへの興味が物質的あるいは社会的に有用な仕事と結びついた場合、実り豊かな人生を送る可能性もある。
例えば、コンピューターに取りつかれた子供は大きくなって卓越したプログラマーになるかもしれない。それらと逆に、予測不可能なもの、不合理なものはアスペルガーの人が嫌う対象となる。

彼らの関心は生涯にわたることもあるが、いつしか突然変わる場合もある。どちらの場合でも、ある時点では通常1~2個の対象に強い関心を持っている。これらの興味を追求する過程で、彼等はしばしば非常に洗練された知性、ほとんど頑固偏屈とも言える集中力、一見些細に見える事実に対する膨大な(時に、写真を見ているかのような詳細さでの)記憶力などを示す。ハンス・アスペルガーは、彼の幼い患者を『小さな教授』と呼んでいた。その13歳の患者は、自分の興味を持つ分野に網羅的かつ微細な、大学教授のような知識を持っていたからである。

臨床家の中には、アスペルガーの人がこれらの特徴を有することに全面的には賛成しない者もいる。たとえばWing と Gillberg はアスペルガーの人が持つ知識はしばしば理解に根付いた知識よりも表層だけの知識の方が多い場合がある、と主張している。しかし、このような限定はGillbergの診断基準を用いる場合であっても診断とは無関係である。

アスペルガーの児童および成人は自分の興味のない分野に対しての忍耐力が弱い場合が多い。
学生時代、「とても優秀な劣等生」と認識された人も多い。これは、自分の興味のある分野に関しては他人に比べて遙かに優秀であることが誰の目にも明らかなのに、毎日の宿題にはやる気を見せないからである(時に興味のある分野であってもやる気を見せない、という意見もあるが、それは他人が同じ分野だと思うものが本人にとっては異なる分野だからだと思われる。例えば、数学に興味があるが答えが巻末に載っている受験数学を自分で解くことには興味が持てない、日本語の旧字体に興味はあるが国語の擬古文の読解問題には興味が持てない、など)。ノートやテスト用紙に文字を手書きすることを、とても面倒で苦痛に感じる子供もいる。一方、反対に学業において他人に勝つことに興味を持ったために優秀な成績を取る人も居り、これは診断の困難さを増す。他人に自分の主張を否定されることに強く嫌悪感を覚えるという人もいる。このことは学校などで学習上の大きな障害となる。例えば、教師が生徒にいきなり答えさせ、生徒:「これは○○だと思います」先生:「 違うよね、これは××だよ」というように、否定して答えやヒントを教えるような方法は、アスペルガーの人には相当な苦痛となる。
しかし、多くの成人は、忍耐力のなさと動機の欠如などを克服し、新しい活動や新しい人に会うことに対する耐性を発達させている。

アスペルガーの人は正常な知能と社交能力の低さを併せ持つと考える人もいる。

このことは子供時代や、大人になってからも多くの問題をもたらす。
アスペルガーの子供はしばしば学校での[[いじめ]]の対象になりやすい。なぜなら彼等独特の振るまい、言葉使い、興味対象、身なり、そして彼等の非言語的メッセージを受け取る能力の低さを持つからである。彼等に対し、嫌悪感を持つ子供が多いのもこのことが要因だろう。このため教育の場である学校において、今後はサポート体制の確立や自立の支援、他の子供への理解を深めさせる、といった総合的な支援策が必要になるだろう。

「アスペルガー症候群」という一つのカテゴリーであっても、人によって障害の度合いは千差万別である。例えば、学校の友達と上手く話せたり、話を上手くまとめられるなど、至って軽度な場合もある。また、上手く話せず、それでもよい友達に巡り会えたから必死で耐えている、というように、自閉度が中度–重度なこともある。
この障害は、カナータイプの自閉症などと違い、一見「定型発達者」に見えるために、周りからのサポートが遅れがちになったりすることが問題となっている。

アスペルガーの人は他の様々な感覚、発達、あるいは生理的異常を示すこともある。その子供時代に細かな運動能力に遅れをみせることが多い。特徴的なゆらゆら歩きや小刻みな歩き方をし、腕を不自然に振りながら歩くかもしれない。手をぶらぶら振るなど(常同行動)、衝動的な指、手、腕の動きもしばしば認められる。

アスペルガーの人は感覚的に多くの負荷がかかっていることがある。音、匂いに敏感だったり、あるいは接触されることを嫌ったりする。例えば、頭を触られたり、髪を触られるのを嫌う人もいる。音に神経質過ぎて不眠を訴える人も多い。これが子供の場合、教室の騒音が彼等に耐えられないものである場合等、学校での問題をさらに複雑にすることもある。


別の行動の特徴として、やまびこのように、言葉やその一部を繰り返す反響言語(エコラリア)と呼ばれる症状を示す場合がある。

== 誤診問題 ==
他の[[精神疾患]]と[[誤診]]される可能性があるとの意見や報道がある読売新聞 シリーズこころ「統合失調症」相次ぐ誤診 2008年12月26日[http://www.geocities.jp/happy_mimi1418/goshin.htm 統合失調症-誤診からの脱出-]。誤診されやすいものとして[[統合失調症]]が挙げられている。

== アスペルガー症候群への社会的偏見 ==
[[2001年]]5月に[[ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント (米国)]]が「アスペルガー 死の団欒」と名づけて発売する予定だった外国映画(原題は「''Absence of the Good''」、1999年のアメリカのテレビ映画)が、抗議を受けて発売中止となった。原題にはアスペルガーという単語は使われておらず(直訳しても「良心の不在」程度にしかならない)、登場人物にもアスペルガー症候群らしい人物は存在しないと考えられる[http://shibuya.cool.ne.jp/pic0608/keyaki/2001/04/11.html 発売中止に関するお詫び]

また、[[2008年]]頃から相次いで医師によるアスペルガー症候群の解説書が刊行されていることについて、医師たちの執筆動機の一つには、あたかもアスペルガー症候群の人物が犯罪を起こしやすいかの様な解釈への対処がある。この背景には、一部の少年事件の加害者が[[アスペルガー症候群]]だと報道されたことが挙げられる。しかし、アスペルガー症候群の人物が犯罪を起こしやすいというデータは確認されておらず、[[鑑別所]]や[[少年院]]の中の該当者は2%程度とされている。また、犯罪を起こしたケースについても、対人コミュニケーションスキルの不足から、当人が世の中の仕組みをよく理解できていないことによって軽微な犯罪が引き起こされてしまったケースがほとんどである ササッとわかる「大人のアスペルガー症候群」との接し方 加藤進昌著 講談社刊

== アスペルガー症候群と犯罪 ==
{{Notice|[[ノート:広汎性発達障害#「疾患との関係性が思案された事件」について|広汎性発達障害のノート]]に、この節に関係する提案があります。ご意見をお寄せ下さい。|section=1}}
アスペルガー症候群の人は認知の歪みを抱えており、自分の感情をコントロールするのが困難なため、「キレ」やすく、反社会的な行動をとることがあると考える人々もいるが、統計的に立証されておらず、支援団体や一部の専門家は「アスペルガー症候群そのものが犯罪に直結することは決して無い」と強く主張している。アスペルガー症候群が事件を誘発したのか、もしそうだとしても主たる要因がアスペルガー症候群自体なのかその他の障害なのかについてなど、誘因の特定はきわめて困難である。現在の診断基準においては、アスペルガー症候群と[[ADHD]]、[[チック]]などとは重複診断をしないこととなっており、判断はきわめて難しい。

以下に挙げるものは、社会に大きな影響を与えた事件である。

*2000年5月1日 [[豊川市主婦殺人事件]]「人を殺してみたかった」著 藤井 誠二([[双葉社]])より
*:犯人の高校生は動機として「[[殺人]]の体験をしてみたかった」「未来のある人は避けたかったので老女を狙った」と供述していたが、学校内では後輩からの信頼も厚く、しかも極めて成績優秀であると見られていたため、その評判と犯罪行為との乖離が疑問とされた。そのため精神鑑定がなされ、一回目の鑑定では「'''分裂病質人格障害'''か'''分裂気質者'''」、二回目の鑑定では「犯行時は'''アスペルガー症候群'''が原因の心神耗弱状態であった」と出され、[[名古屋家庭裁判所]]は二回目の鑑定を認定した。二回目の鑑定には[[児童精神医学]]の専門家一名が鑑定に加わっていた。
*:この事件は、[[文部省]](当時)に広い範囲における[[高機能自閉症]]児に対する早期の教育支援が必要であることを認識させ、後に[[特別支援教育]]として制度化されることになった。
*2003年7月1日 [[長崎男児誘拐殺人事件]]西日本新聞2003年9月20日朝刊。北海道新聞2006年10月19日夕刊。
*: 家庭裁判所の審判において「少年は、男性性器への関心と家庭環境で増強された他人への共感性の乏しさがあいまって被害者に暴行。防犯カメラを発見したことで動転し、衝動的行動に出やすいという資質と共感性の乏しさがあいまって被害者を屋上から突き落とすという行為に及んだと考えられる」と結論している。
*:[[日本自閉症協会]]は、「自閉症に対する偏見を助長しかねない」「自閉症と事件に因果関係はない」と抗議声明を発表。特に全国にある[[アスペルガー症候群]]の子をもつ親の会の反発は強く、各報道機関に「アスペルガーという名称を使用しないでほしい」と要望する出来事まで起きた。一方、[[アスペルガー症候群]]への理解を深めるための本が出版されたり、「自分はアスペルガー症候群」と名乗る人が出たりして、社会的な関心が広まった。

=== 医療観察法入院対象者数 ===
厚生労働省によるとアスペルガー障害が含まれる「F8 心理的発達の障害」カテゴリーの入院対象者は2010年6月30日現在、8名である。
[http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sinsin/nyuin.html 心神喪失者等医療観察法による入院対象者の状況] 厚生労働省 2011年1月5日閲覧

:法律については''[[心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律]]''の項や''[[精神障害者#精神障害者と犯罪]]''の節を参照。

== アスペルガー症候群の援助 ==
アスペルガー症候群の人は、現代社会に対し、非常に適応しにくい困難さをかかえている。あちこちで衝突が起こり、[[引きこもり]]になっていることも少なくない。自分自身に強いコンプレックスを抱え、二次障害で[[うつ病]]を発病したり、[[自殺]]志願を持つ人も決して少なくない。そういう[[アスペルガー症候群]]の人に援助をする必要が急がれている。[[発達障害者支援センター]]などをはじめ、少しでもアスペルガー症候群の人が社会で暮らしやすいよう、[[地域活動支援センター]]や[[デイケア]]などの設備を整える必要が早急に問われている。最も必要なことがこの障害を理解し、受け入れる環境的素地を作り上げることである。

== アスペルガー症候群の著名人 ==
自閉的な特徴を持っていた著名人は多く、研究者や偉人に対する「変わり者の天才」というステレオタイプの形成を助けてきた。ただし、アスペルガー症候群のような高機能な自閉症の存在が知られるのはここ数十年、特に一般に認知されてきたのは1980年代以降であるため、生前に診断や検査を受けた者は例外的である。疑いがあるが、診断されなかった者たちについて残された記録をもって推測することの是非について論争が絶えない。

しかし、現実には、精神医学の専門医・院長レベルの人ですら「〇〇がアスペルガー症候群と言われている」([[アインシュタイン]]や[[エジソン]]など、任意の偉大な人物・世間一般的に天才とされている人物などが入る)と言った言葉を憶測で著書に書くことが多々あり、アスペルガー症候群に対する偏見が横行しているためにそれを修正されようとしているために先走っている感がある。

=== アスペルガー症候群の診断を受けている著名人 ===
* [[泉流星]]「ザ!世界仰天ニュース 脳の不思議スペシャルパート7」2009年7月22日放送分より
* [[テンプル・グランディン]]「火星の人類学者」 オリバー・サックス著
* [[クレイグ・ニコルズ]][http://www.barks.jp/news/?id=1000003844 ヴァインズのクレイグ、自閉症の一種と診断 - BARKS ニュース]
* [[倉持結香]]「[http://www.cyzo.com/2008/04/post_518.html 炎上上等!? お騒がせブログアイドル・倉持結香の本音に迫る]」 [http://www.cyzo.com/ 日刊サイゾー]、2008年4月28日。
* [[リチャード・ボーチャーズ]]{{cite web|author=Lane, Megan|title=What Asperger's syndrome has done for us|publisher=BBC.co.uk|url=http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/3766697.stm|date=[[2004年]][[6月2日]]|accessdate=2007-11-08}}
* [[バーノン・スミス]]{{cite web|title=Mild autism has 'selective advantages'|publisher=MSNBC|url=http://www.msnbc.msn.com/id/7030731/|author=Herera, Sue|date=[[2005年]][[2月25日]]|accessdate=2007-11-08}}
* [[スティーブン・スピルバーグ]]http://www.mondostars.com/entertainment/stevenspielberg.htmlhttp://www.smh.com.au/news/Health/A-syndrome-for-success/2005/06/09/1118123948555.html
* [[南雲玲生]]http://djnagureo.exblog.jp/8304958/
* [[田尻智]]{{en}} [http://www.gamer20.com/features/182/2/ A Salute to Japanese Game Designers][http://www.edge-online.com/features/the-hot-100-game-developers-2006?page=0,9 The Hot 100 Game Developers of 2006]
* [[金田ゆうじ]]
*[[ダニエル・タメット]]{{cite news|author=Johnson, Richard|date=February 12, 2005|title=A genius explains|url=http://www.guardian.co.uk/weekend/story/0,,1409903,00.html|publisher=The Guardian|accessdate=2007-11-08 | location=London}}
*[[エイドリアン・ラモ]]{{Cite web|title=Ex-Hacker Adrian Lamo Institutionalized for Asperger’s|publisher=[[Wired (magazine)|Wired]]|date=May 20, 2010|url=http://www.wired.com/threatlevel/2010/05/lamo/| accessdate=May 23, 2010}}
*[[レディ・ホーク (音楽家)|レディ・ホーク]]{{cite news|author=Lester, Paul|title=Asperger's, allergies and aubergines|publisher=guardian.co.uk|url=http://www.guardian.co.uk/music/2008/sep/11/popandrock|date=2008-09-11|accessdate=2008-09-17 | location=London}}

==ステレオタイプ化に対する警鐘==
[[昭和大学]]附属烏山病院院長の加藤進昌は、[[週刊現代]][[2010年]][[4月17日]]号の記事の中で、アスペルガー症候群の社会認知が広がる一方で、アスペルガー症候群の人間は「頭の良い人」であるとか、「ちょっと変わった人」という一種の[[ステレオタイプ]]化が進んでいる風潮に警鐘を鳴らしている。加藤自身、診察で否定しても「自分はアスペルガー症候群に違いない」であるとか、対人関係がうまくいかないことに「アスペルガー症候群でこうなった」と決め付け、食い下がる患者が多いと言う「大研究 あの有名人も!アスペルガー症候群の天才たち」 [[週刊現代]] 2010年4月17日号

== 関連項目 ==
* [[特別支援教育]]
* [[学習障害]]
* [[注意欠陥・多動性障害]]
* [[広汎性発達障害]]
* [[発達検査]]

== 参考文献 ==
* [[アミー・クライン]] (編), [[小川真弓]] (翻訳)、『総説アスペルガー症候群』、[[明石書店]]、[[2008年]]5月、ISBN 978-4-7503-2779-2
* [[今村志穗]](原作),[[ごとう和]](画)、『晴れときどきアスペルガー』、[[講談社]]、[[2009年]][[2月13日]]、ISBN 978-4-06-375655-5 アスペルガー症候群と診断された家族をもつ著者の体験を元にしたコミック

== 脚註 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}

== 外部リンク ==
* [http://www.autism.jp/asp_index.html アスペルガー症候群を知っていますか?](社団法人日本自閉症協会 東京都支部)
* [http://www.autism.or.jp/relation05/siencenter2009.htm 発達障害者支援センター一覧]
* [http://www.rehab.go.jp/ddis/ 発達障害情報センター](厚生労働省)
* [http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001549.htm Medical Encyclopedia (英語)]
* [http://www.mayoclinic.com/invoke.cfm?id=DS00551 Mayo clinic.com (英語)]
* {{Mpedia|英語版記事名=Asperger_Syndrome|英語版タイトル=Asperger Syndrome}}

{{精神と行動の疾患}}

{{DEFAULTSORT:あすへるかあしようこうくん}}
{{Link FA|en}}
{{Link FA|he}}

[[Category:発達障害]]
{{Link FA|hu}}

[[af:Aspergersindroom]]
[[ar:متلازمة آسبرجر]]
[[ca:Síndrome d'Asperger]]
[[cs:Aspergerův syndrom]]
[[cy:Syndrom Asperger]]
[[da:Aspergers syndrom]]
[[de:Asperger-Syndrom]]
[[en:Asperger syndrome]]
[[eo:Sindromo de Asperger]]
[[es:Síndrome de Asperger]]
[[et:Aspergeri sündroom]]
[[fa:نشانگان آسپرگر]]
[[fi:Aspergerin oireyhtymä]]
[[fr:Syndrome d'Asperger]]
[[fy:Syndroam fan Asperger]]
[[gl:Síndrome de Asperger]]
[[he:תסמונת אספרגר]]
[[hr:Aspergerov sindrom]]
[[hu:Asperger-szindróma]]
[[id:Sindrom Asperger]]
[[is:Asperger heilkenni]]
[[it:Sindrome di Asperger]]
[[ko:아스퍼거 증후군]]
[[lt:Aspergerio sindromas]]
[[lv:Aspergera sindroms]]
[[ms:Sindrom Asperger]]
[[nl:Syndroom van Asperger]]
[[nn:Aspergers syndrom]]
[[no:Aspergers syndrom]]
[[pl:Zespół Aspergera]]
[[pms:Sìndrom d'Asperger]]
[[pt:Síndrome de Asperger]]
[[ro:Sindromul Asperger]]
[[ru:Синдром Аспергера]]
[[simple:Asperger's syndrome]]
[[sk:Aspergerov syndróm]]
[[sv:Aspergers syndrom]]
[[tr:Asperger sendromu]]
[[uk:Синдром Аспергера]]
[[zh:亞斯伯格症候群]]
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